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2012/11/24 (Sat) 世界一退屈なボードゲーム?-Kolejka(行列)-

数か月前、インターネットでこんな記事を見つけました。

"君は社会主義経済を生き抜けるか?
東欧のボードゲーム、日本語版発売へ"


「トイレットペーパーやバターを買うために何時間も列に並ばなくてはならない――
そんな共産党政権下のポーランドの「退屈な日々」を追体験できる
「モノポリー」風ボードゲームの日本語版が、間もなく発売される。
制作したのはポーランド政府機関で、近現代の歴史を記録し
ナチス・ドイツ(Nazi German)政権下と社会主義時代の犯罪を訴追する
「国民記録機関(IPN)」だ。 -中略-
制作の意図は、鉄のカーテン(Iron Curtain)がなくなる1989年以前には
ごく簡単な日用品の買い出しに付き物だった「退屈さ」と「不条理さ」を
後世に伝えることだという。
ゲームに勝つには、ショッピングリストに記載された商品を
全て買い揃えなくてはならない。
「でも、お店に何もないから買えないのよ」と、IPNのプレゼンテーションで
ゲームを試遊した英語講師の女性(52)は笑った。 」
記事はこちら→

その時はへぇー、政府機関がこんなゲームをつくるなんてずいぶんシュールだわ
と思って読み流したのですが、おととい、empik(チェーン店の文具屋)で
"Nowa!(新作!)"のタグがつけられた実物を見かけました。

無題
パッケージがなかなかおしゃれ

card.png
カードも、味のある(いかにも社会主義時代~っていう)写真と
くすんだ色味のデザインがなんだかおしゃれ

実物をみたら気になってしまって
家に帰ってからAに「Kolejkaってゲーム知ってる?
クリスマス前に買ってさ、クリスマスの家族団欒の時間にやるっていうのはどう?
昔を思い出してみんな楽しめるかもよ」と提案したら
「げっ。そんなゲームあるんだ…絶対ヤダ。」と頑なに拒否。
どうやら、Aはkolejka(ゲームじゃなくて、社会主義時代の本物の行列)に
トラウマがあるようです。

「5歳の時、クリスマス前に、オレンジをもらうために配給のカード持たされて
朝五時から一人で並んだよ…すっごく寒くて凍え死ぬかと思った」
「お母さん(モティカ母)お姉ちゃん(モティカ姉)は何してたの?」と聞くと
「母さんと姉ちゃんは他のものを受け取るためにそれぞれまた別の列に並んでた」
と…。

ポーランドの社会主義が終わったのが1989年、Aが9歳の時。
ポーランドが民主主義になって、Aも大人になって自分で稼いだお金で
好きなものが買えるようになっても、社会主義時代に幼少期を送ったAの中には
その影響が残っているのだと時々感じることがあります。
前にも書きましたが、「持っているものをとにかく大事にする」というのが
そのひとつ。

モティカ父母の反応が知りたくて、今日の夕食の際にこのゲームの話をしたら
「あーあの時はほんとしんどかったね…ひどい時代だった」とモティカ母。
「いや、あの時はみんな仕事もあったし、家もあった。みんな平等だった。
そんなの悪い時代じゃなかったぞ」とモティカ父。
それを聞いたモティカ母
「あんた、一度でも配給の行列に並んだことあった?!ないよねー!
ないからそんなこと言えるんだよ!あれはひどかったよ!!!」とピシャリ(笑)
そのあとはモティカ母の社会主義時代の回想録をたくさん聞かせてもらいました。

テレビを買うのに、隣町にあるという情報を聞いて朝4時から並んだものの買えず、
別の日に100キロ離れた街まで行ってやっと手に入れたこと。

家を建てている最中で、お風呂場のタイルを手に入れるのに
二日間車の中で寝泊まりして並んだこと。

物資がポーランドより豊富だったチェコまで、ひとりバイクで買い出しに行って
ポーランド人だとばれないように(ポーランド人だとわかると
売ってもらえなかったらしい)ポーランドでも手に入れられた日用品まで
カゴにいれてカムフラージュしたこと。

ハンガリーからの買い出しの帰りの電車で、検閲員に買ったものを
とりあげられないよう工夫してパッキングしたこと
(コーヒーや大量のアルコールなどは没収の対象だったそう)

などなど…。

数々の武勇伝(?)を聞くと、モティカ母のたくましさに感心するとともに、
ポーランドはむかーし昔から、ずいぶん厳しい時代が続いている国だなあと
改めて感じます。
EUに加盟したことでみんなが豊かで幸せになったかといえばそうでもなく、
物価が上がり続けるのに給料は相変わらず低いまま、
仕事もなかなか見つからない、そんな環境に見切りをつけて
国外へと出る若者が増え続けているのがこの国の現状…。
モティカ母も「社会主義時代には戻りたくないけど、
今のポーランドもひどく住みづらい国だと思う」と言っていました。


ああ、なんだか暗くなってしまいましたけど、
とりあえず、ポーランド家族の話を聞くとこのボードゲームKolejkaを
クリスマスに買うのはいい案ではなさそうということがわかりました。

最初に挙げた記事のほかに、今回検索して見つけたサイトで
「ポーランド人の友人がいる人は一緒にやるとノスタルジーを誘ってよさそう」
と書いてあるものを見つけましたが、
「じかにこの時代を体験したポーランド人と遊ぶと、ノスタルジーに浸るどころか、
いやな記憶を掘り起こしてしまう可能性があります」と注意書きしたい(笑)
でも、この時代を知らない若い世代には、デザインもレトロでおしゃれだし
楽しんでもらえるのかもしれません。
実際、ポーランド国内では売り出した2011年に2万本が完売、だそうです。

ポ家族には却下されたので、日本の家族と遊ぶ用に
日本語版をクリスマスにプレゼント、っていうのもひとつの案かな
と考えているところです。
だって、"新版には、ゲームの持つ歴史的背景を紹介し、
人々が買い出しに「戦略」を用いなければならなかった時代について解説する
小冊子も付属している"とあるんです。とっても気になる~!

ただ、ネット検索しても日本語版を買えるところが見当たらないのが残念です。
どなたかご存知のかたいらっしゃったら、教えてくださいませ。



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ogrod

Author:ogrod
2010年秋からポーランド南西部在住。
異国での日々の生活、身の回りのできごとをぼちぼち綴っています。

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